スパニングツリーとは

引越しに伴うLANの再構成を行う際にしたらいいのにと思ったのでここに書いておく。

スパニングツリーとは、ループ状になったネットワークを論理的に分割しツリー構造のネットワークにすることである。

なぜこんな機能が必要かというと、LANで用いられるethernetはループ状の構造が許されていないからである。ループしている部分があるとブロードキャスト・ストームと呼ばれる現象が発生し、正常な通信が出来なくなる。これはethernetのパケットには寿命がなく、ブロードキャストのように明確な受け取り手がないパケットはなくなることがないからである。ツリーのようにどのルートにも端がある構造ならそこで受け取り手がないパケットは消えるためツリー構造ではパケットに寿命がないことは問題にならない。

初期のころスパニングツリーはユーザーが誤ってループ状の経路を作ってしまったときのフェイルセーフだったが、現在ではそれを越えて使われている。使い方は、Internetがメッシュ状である理由と同じく耐障害性の向上である。経路をループにしておけばスイッチの故障等の被害を最小限に抑えることが出来る。この迂回路の設定は少し前(STP)は30秒以上かかったが現在のRSTPに対応したものなら1秒程度で行える。

問題は安価に家庭用として売っているスイッチングハブはどうも対応していないということだ。IEEE802.1D/wに対応したものがあれば、いいのだがカタログの製品仕様には触れられていない。まあ一般家庭でスイッチが複数あることなんて稀なので必要ない機能である。ネットに公開されているカタログを見る限り法人向けのミッドレンジ以上はだいたい対応しているようだ。といっても研究室にあるのは思いっきり家庭用の安いハブだったが。